企業の廃プラスチックの処分方法3つ|リサイクルor産業廃棄物の見分け方も

環境問題への意識が高まるなかで、廃プラスチックをいかに処理するかは世界的に議論されている問題です。

しかし「廃プラスチックは適切に処理すべき」とわかっていても、実際にはどのように取り扱えばいいのかわからない企業の方も多いでしょう。

そこで、本記事では廃プラスチックの3つの処分方法について解説します。

廃プラスチックの種類や、廃プラスチックが引き起こしている問題についても紹介しているので、環境問題についての理解を深めたい方にも役立つ内容となっています。

廃プラスチックとは

廃プラスチックとは、その名の通り廃棄されるプラスチック用品のこと。

ここでは「プラスチックと廃プラスチックの違い」「廃プラスチックの種類」について解説します。

プラスチックと廃プラスチックの違い

そもそもプラスチックとは、石油を原料として人工的に合成された樹脂のこと

熱を加えることで自由に形を変えられるため、ペットボトルや食品トレー、容器・袋など、私たちの暮らしの中のさまざまな場所に使われています。

一方で廃プラスチックとは、使用後に廃棄されたプラスチック製品ならびに、それらの製造過程で出るプラスチックの破片・梱包材などです。

企業においては商品の製造過程で発生するプラスチックごみのほか、従業員が食べた弁当ガラやペットボトルのごみも廃プラスチックに該当します。

廃プラスチックの種類

廃プラスチックは「一般系廃プラスチック」「産業系廃プラスチック」の2種類に分けられます。

一般系廃プラスチックと産業系廃プラスチックの違いは「事業活動に伴って生じたプラスチックごみかどうか」です。

たとえば食品加工工場の場合、原料となる食品の包装資材や解凍シート、ポリ袋のほか、食品を入れるプラスチックコンテナなどが廃プラスチックとして挙げられるでしょう。

ただし、企業が排出する廃プラスチックには直接的に事業活動に関与しないものも存在します。

先の例に挙げた「従業員が食べた弁当ガラやペットボトル」は事業で排出されるごみではないものの、事業活動を続けるうえで必ず発生するごみといえるでしょう。

これらを一般廃プラスチックとして処理するか、産業系廃プラスチックとして処理するかは自治体によって異なるため、まずは自治体に問い合わせる必要があります。

廃プラスチック問題の現状

私たちの暮らしを支えるプラスチック。実は「廃プラスチック問題」と呼ばれる深刻な環境問題も抱えています。

  • プラスチックの燃焼により地球温暖化の原因となる温室効果ガスが発生する
  • プラスチックの大量生産で石油資源が枯渇する恐れがある
  • 陸上のプラスチックが海に流れ、海洋汚染を招いている

なかでも3つ目の海洋汚染は世界的にも大きな課題として取り上げられており、2016年には世界経済フォーラム(WORLD ECONOMIC FORUM)で「年間800万トンのプラスチックごみが海に流出している」と報告されています。

参考:The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics|WORLD ECONOMIC FORUM

プラスチックは分解されて自然に還ることはないため、このままのペースで流出が続けば、2050年には海のプラスチックごみの重量は魚の重量を超えるとの試算も。

海洋プラスチックが増えれば、海に暮らす生物の誤食や体への絡みつきなど、生態系に悪影響を及ぼします。

その結果、漁獲量の減少やプラスチックを取り込んだ魚を食べることによる健康被害など、日本のみならず世界中でさまざまな問題が起こるといわれているのです。

企業の廃プラスチックの処分方法3つ

環境問題への意識が高まっている現代において、廃プラスチックを正しく処分することは企業の責務ともいえます。

ここでは企業の廃プラスチックの処分方法を「汚れのないプラスチックの場合」「汚れているプラスチックの場合」に分けて3つ紹介します。

汚れのないプラスチックの場合

汚れのないプラスチックの場合、処分方法として下記2種類が挙げられます。

  • 廃プラスチックリサイクル
  • 廃プラスチックの有価買取
1. 廃プラスチックリサイクル

廃プラスチックはリサイクルが可能です。

プラスチックリサイクルには「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」の3種類があり、それぞれリサイクルの流れや用途が異なります。

出典:プラスチックとリサイクル 8つのはてな|一般社団法人プラスチック循環利用協会

なかでも、現在もっとも廃プラスチックをリサイクルしている手法はサーマルリサイクルです。

プラスチック循環利用協会の2019年の調査によると、国内の廃プラスチック層排出量850万トンのうちマテリアルリサイクル22%、ケミカルリサイクル3%、サーマルリサイクル60%の割合で処理されていることがわかります。

出典:26 プラスチック3つのリサイクル|プラスチックのはてな|一般社団法人プラスチック循環利用協会

しかしサーマルリサイクルには「プラスチック製品を一度しか利用できない」「燃焼による二酸化炭素や有害物質の発生」などの問題点も存在します。

今後はマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの割合を高めていくことが必要とされていますが、そのためにはプラスチックと異物をしっかり分別することや、プラスチックの汚れを落とすことが求められるでしょう。

2. 廃プラスチックの有価買取

廃プラスチックを処分する方法として、有価買取を依頼する手もあります。

ただし買取には下記の条件が設定されていることがほとんどです。

  • かさばる物や軽い物は粉砕・圧縮すること
  • 異物や汚れがないこと
  • 梱包されていること

また最低取引単位が決まっている業者も多く、少量のみの買取には応じてくれない可能性も。

まずは業者に問い合わせを行い、買取の可否を確認しましょう。

汚れているプラスチックの場合

汚れているプラスチックの場合、リサイクルをすることはできません。

産業廃棄物として焼却するか、埋立処理を行うことになります。

しかしプラスチックの焼却は二酸化炭素や有害物質が発生するうえ、埋立に関しては埋立地の逼迫や環境汚染の問題も抱えています。

焼却・埋立には廃棄コストがかかるうえ、日本政府がプラスチックの削減・リサイクルを推進していることもあり、できる限り避けるべき方法であるといえるでしょう。

廃プラスチックをエコ&安く処理するなら「洗浄」が不可欠

企業における廃プラスチック処分は「リサイクル」「有価買取」「焼却・埋立処分」の3つの方法があります。

汚れのないプラスチックならリサイクルか有価買取を、汚れているプラスチックの場合は焼却・埋立処分を行い、適切に廃プラスチックを処理しましょう。

しかし、プラスチックごみを排出する企業のなかには「環境のためにリサイクルや有価買取を行いたいが、汚れがあるため焼却・埋立の選択肢しかない」というケースもあります。

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